山東省の食ガイドSIGHTSEEING

訪れた人が片時も忘れることのない「泰山三美」

有名な軽食

古代の帝王が泰山を訪れたのは封禅(=即位の儀式)のためです。これは、世の中に対し、自分が天下人であると宣言するためで、更に、恭しく泰山に登り、斎戒沐浴(=心身を清めること)し、神に向かって天命を受けた帝王であることを報告するものです。この誠意を表す斎戒が、「泰山三美」を世に知らしめたのです。

泰山には「白菜、豆腐、水」の3つの名産があります。斎戒の期間中にはすべての人が最も質素で原始的な状態に返るため、味覚がより敏感になります。テーブルに運ばれた甘くて良質な水、すべすべして軟らかい豆腐、新鮮で美味しい白菜は、当然どのように料理しても美味しくいただけます。

泰山で有名な三美湯は、庶民がよく作る白菜と豆腐のスープですが、泰山の神秘性で白菜が汚れなきものと感じられ、非常に口当たり良く感じます。わずかなにがりを使って作る鹵水豆腐は、舌の上でなめらかにすべり、炭であぶった風味があふれ、緻密な食感の中にすっきりとした酸味が湧き上がり、泰山豆腐を最も楽しめる一品になっています。最も重要とされるスープの水に使用するのは豊富なミネラルや微量の元素を含んだ泰山の泉水です。この泉水は、スープの白菜と豆腐の味をじっくりと感じさせます。様々な味に変化する不思議な口当たりは、一度飲んだら忘れられません。

有名な泰山豆腐は、当然スープを作るためだけに用いるものではなく、その非常に淡白な出来栄えは、「泰山の神豆腐」の名に恥じず、すべすべして十分に柔らかく、長く煮込んでも崩れない性質を持っています。歴代の料理人すべてが知恵を絞り、神豆腐の特色を最も生かした最高の料理を作ってきました。例えば「鍋塌豆腐」、「砂鍋豆腐」など、いずれも近世まで愛されて伝えられ、さらには豆腐料理をテーブルいっぱいに並べた「豆腐宴」まで開かれました。「豆腐宴」では、焼く、炒める、煮る、揚げる、とろ火で煮込む、温める、あぶる、沸騰した湯に入れて手早く煮るなど、つまり、神豆腐に対する絶技をすべて用いる必要があります。泰安への旅行では、豆腐宴は絶対にはずせない重要なイベントです。また満腹になった後にさらに、豆花(=おぼろ豆腐)や豆腐脳(=にがりを入れていない柔らかい豆腐)を注文することは、至福のひとときとも言えるでしょう。