山東省の特産品~歴史と伝統にふれる旅~

空高く舞い上がる色とりどりの翼

凧は、濰坊現地の特色ある手工業です。精緻な材料を用い、美しい絵を描き、精巧な手作業によって作られており、これこそが濰坊の凧を世界の大空に飛ばすためのキーポイントです。

濰坊世界風箏博物館(=濰坊世界凧博物館)

現地では、1987年に「濰坊世界風箏博物館(=濰坊世界凧博物館)」を設立しました。よく見ると、博物館全体の構造が、梁を龍の背中とし、青い瑠璃瓦をその鱗とした巨大な「龍頭蜈蚣(=龍頭のムカデ)」であることに気づくでしょう。正に濰坊の凧の最も典型的な姿であり、濰坊を世界の凧の都とする基礎を築いただけでなく、この8100平方メートルの8階建ての空間が、中国の凧芸術を伝承する重大な責任を負っていることを具現化したものとなっています。

館内の大ホールの高い位置に吊下げられている龍頭蜈蚣風箏(=龍頭のムカデ凧)は、濰坊の凧の代表的なシンボルです。展示ホールの中には、紀元前5世紀の春秋戦国時代の魯班(=魯の有名な大工の名前)から現代に至るまでの凧の貴重なコレクション1000件以上を展示しています。さらに、訪れた人々が凧の歴史を深く理解できるように、凧に関する文物資料300件以上を提供しています。また、世界各国の凧のコレクションの展示もあり、その造形、材料の選別や技巧、遊び方にはそれぞれ優れた特色があり、凧マニアが帰ることを忘れるほどの凧天国になっています。濰坊では毎年、凧祭りを開催し、国際的な凧の名手を幅広く招待してイベントを盛り上げ、凧のすばらしさを広く発信しています。

4つのステップ 名誉ある濰坊の凧ができるまで

濰坊の凧の極めて精密なところは、セミの羽のように軽く、蝶の羽のように美しく、鷹の翼のように飛べるところです。濰坊の凧は、表面すべてが絹で作られており、材質が軽くて精巧で、機敏に操作でき、引っ張る力が強く、粘り強さが極めて優れていること、これが重要な秘訣です。また、きめが細かくて滑らかな絹の表面は、最も優れた画紙であり、絵師による伝統的な情緒を持った精密で細かな色彩が、濰坊の凧を「飛ぶ芸術品」とし、青い空と白い雲の間に無限の色彩を浮かべます。しかも、製作の過程で、毎回色を塗る度に画箋紙を敷いて陰干しにして乾かし、これを何度も繰り返して色彩を堅牢なものとするため、絹の表面の絵の華やかさは、風に吹かれても、日に晒されても、5年間は色が褪せません。

次は、凧の骨格です。軽くて精巧で、しかも弾力性に富んだ竹の皮を削って作られます。アルコールランプで炙り、工具で固定して一定の形にし、骨を刺す時はまず木綿糸で縛り、その後、接着剤で補強して形を固定します。骨格の形状は全てが同じではなく、鷹、ムカデ、トンボ、蝶々、龍頭ムカデなど、絵の上での変化だけではなく、骨格から変化させます。立体であれ単純な平面であれ、すべて職人の組み立てに対する確かな腕前とアイデアにかかっています。軽くて精巧でしっかりとして、さらに弾力性のある骨格は、凧を空中で風に乗せて自由に駆け巡らせ、壊れたり、バラバラになりません。濰坊の凧の真髄が正にここにあります。

さらに、糊の技があります。絵を描いた絹の面と竹で編んだ骨格を一つにして、凧がおおむねできあがります。ただし、この段階ではまだ完成ではなく、せいぜい立体的な凧の絵画作品に過ぎません。最後に糸をつなぐのを待って初めて青空へ飛び上がる準備ができた本物の凧になります。糸をつなぐには、真に技量を必要とし、つなぐ位置、角度がよくなければ、凧は飛び上がることができず、地面をひっかいて耕すことしかできません。そうなってしまっては濰坊の凧の看板を汚してしまいます。そのため、職人が糸を上手くつないだ後、更にテスト飛行を実施して、軽快に飛び上がることを確認し、テスト通過の整理番号を付けて初めて販売できます。購入者は、凧を揚げるために巻いたたこ糸を結ぶだけで、凧揚げの喜びを心ゆくまで楽しむことが出来ます。